2008年 08月 24日
ウミガメの浜(屋久島にて)
c0141967_2257836.jpg
屋久島 永田いなか浜

屋久島は、世界有数のアカウミガメの産卵地としても知られています。
そして、写真の浜が、屋久島でもダントツにウミガメの上陸の多い永田いなか浜で、ピーク時期には一晩で50匹以上のウミガメが上陸する日もあるということです。(産卵は5〜7月、孵化が8〜9月です。)

日本のウミガメの産卵地は、砂浜の減少や環境の悪化などで、危機的な状況です。
この屋久島も例外ではありませんが、地元ボランティアを母体に発足したNPOである「屋久島ウミガメ館」の献身的な活動によって、かろうじて守られているという状況です。(詳しくは、「屋久島ウミガメ館」のWebサイトをご覧下さい)
http://www.umigame-kan.org/

c0141967_23294263.jpg
ウミガメ館にて、保護されている子ガメの測定を体験中

一昨年に、屋久島を訪れ、「屋久島ウミガメ館」主催の観察会に参加、ウミガメの産卵を間近で見ることができました。
その時、1日ボランティアがあることを知り、昨年は、より深くウミガメの体験をすべく、1日ボランティアに参加しました。

<1日ボランティア体験記>
1日ボランティアは、「ウミガメ館」の調査員の方(長期ボランティアの方で構成されています)に同行し、調査のお手伝いをするというものです。
ウミガメの産卵は、夜間に行われるため、20:00から翌朝までが調査時間ですが、できる範囲で、時間も可能なところまででいいという暖かお言葉に甘えて、もうすぐ4歳になる娘を含む家族4人で参加しました。

7月30日 20:00
お手伝いする調査員の方と、担当するいなか浜の一角に到着、ウミガメが上がってくるのを待ちます。

この日は、快晴で満月が明るく浜を照らしていました。ウミガメは明かりを嫌います。産卵時期の終盤で、ただでさえ上陸数が少ない時期、待てど暮らせどウミガメは上がってきません。2時間近く経ったでしょうか、坊主の予感がよぎる中、いなか浜の別のエリアでアオウミガメが上陸しているという情報が入り、そちらへ移動しました。
屋久島で産卵するウミガメのほとんどがアカウミガメです。アオウミガメ(アカウミガメよりふた回りほど大きい)は数日に1匹ぐらいしか上がってきません。

そのアオウミガメは、甲羅の長さが1mを超える堂々としたものでした。後ろ足で穴を掘っています。
ウミガメが産卵に入るまで、少しかかりそうということで、近くで待機していたころ、小さな物体が、コソコソと動いているのに気がつきました。
それは、孵化したばかりの赤ちゃんカメでした。一目散に海の方へ向って行きます。
赤ちゃんカメの来た方向をたどってみると、巣穴らきし場所がありました。
砂から赤ちゃんカメの頭がひょっこり出たかと思うと、もぞもぞと砂から湧き出るように全身が現れます。
次から次へと出てきます。15匹ぐらいは出て来たでしょうか。
時間は、既に23時をまわっていましたが、子供たちは、その様子にすっかり目を覚まし、赤ちゃんカメを追いかけ、海に着くのを見守っていました。

そうこうしているうちに、アオウミガメが産卵が始まっていました。
調査員の方が、場所が悪いので、卵を移し替えるということで、産卵中のカメの後ろから手を伸ばし、卵を取り出し始めました。
その後、妻に取り出しの指令が下り、大部分の卵を妻が取り出しました。その数、135個。

卵を袋にいれ移植するエリア(砂浜最上部の一角に杭とロープで囲んである保護エリアあり)に到着すると、今度は、ぼくに卵を埋める穴を掘る指令が下りました。穴は、深さ50cmぐらいの縦穴で、穴の底は広くなっていないといけないということでした。(フラスコのような形状です)
砂浜に深い穴を掘るのは、結構難しく、2回途中で崩れました。何とかコツがつかめて来た3回目、やっと調査員さんのOKが出て、卵を入れ砂をかけました。

もう1時を回っています。娘も頑張って起きていましたが、そろそろ限界です。ちょうど一息ついたので、妻と娘を宿(浜から車で10分)に返し、ぼくと息子は、一息入れた後、再び、浜へ引き返しました。引き返すなり、もう一つ穴堀の仕事が待っていましたが、コツをつかんだので、今度は楽勝でした。
それが終わると、もうカメは上がってきそうにないということで、調査員さんと相談し、2時過ぎに、ぼくたちは引き上げることになりました。

今回、上手くいけば産卵と孵化の両方が見れる時期でしたので、両方見れればいいなと思っていたのですが、月明かりのもと、産卵するアオウミガメの傍で、孵化する赤ちゃんガメが列をなして海へ向って行くという、すごい状況を見ることができました。

ウミガメは明かりを嫌うため、残念ながら産卵の様子や赤ちゃんカメの写真はありません。
唯一、撮れたのは、ぼくの掘った穴に卵を入れたところです。(2回目だったと思います)
c0141967_23281156.jpg


「屋久島ウミガメ館」のWebサイトには、色々な写真があります。ウミガメの生態やウミガメの抱える問題なども、わかりやすく説明されていますので、是非、ご覧頂ければと思います。
[PR]

by tatsuya_kitao | 2008-08-24 23:35 | 屋久島 | Comments(10)
Commented by photogarage at 2008-08-25 19:14
tatsuyaさん こんばんは!
産卵と孵化、御家族でとても良い経験ができましたね。
どちらも映像でしか見たことが無いのですが、とても感動できたのでは
ないでしょうか?
屋久島は、本当に自然の、生命の濃いところですね。
Commented by tatsuya_kitao at 2008-08-26 00:03
→フォトガレさんへ
いつも、コメントありがとうございます。
TVでもよく放映されていますが、実物は比べ物にならないぐらい感動的です。当然、TVのようにわざとらしい味付け(例えば、母カメの目の周りが濡れているのを「涙」といって強調したり)はありませんので、結構、淡々としています。
あと、母ガメが砂浜の上を進むのも結構早いです。人のゆっくり歩くぐらいの速度で、力強く、進みます。
そうですね、でも同時に脆さも感じました。ちょっと人間がいい加減なことをすると、すぐ壊れてしまうように思います。
Commented by asdpc at 2008-08-26 00:48
こんばんは!
ボクもここ行きましたっ!^^
ウミガメの産卵時期ではありませんでしたが…。(ToT)
貴重な体験をされましたね!
レポート楽しく拝読させていただきました。(^^)
Commented by casta6c at 2008-08-26 02:27
ウミガメといえば、やっぱり苦しい産卵のイメージ。(汗
それにしてもいいところですね。
一度は行ってみたいです。小さいカメラ持参で。(笑
Commented by Kenclip at 2008-08-26 16:20 x
こんにちは、tatsuyaさん。
家族揃って良い体験をされましたね。
お子さんにとっても、大自然の中でその営みに直に触れた事は貴重な体験になった事でしょう。
私ももう一度行って感動したいですね。
Commented by tatsuya_kitao at 2008-08-26 23:23
→AKIさん、こんばんは!
AKIさんも行かれましたか。白い砂がとてもきれいな砂浜ですよね。
とても濃い体験だったように思います。
長文におつきあい頂き、ありがとうございました。
Commented by tatsuya_kitao at 2008-08-26 23:33
→casta6cさん、こんばんは!
実際に見ると、産卵中はじっと動かないですが、あまり苦しそうには見えませんでした。
それよりも、産卵場所を見つけるのが大変なようです。いい場所が見つからず海へ引き返したり、産卵場所を探しまわっているうちに護岸がされている地帯に入り、あげくには、テトラポットの上に落ちてしまうケースもあるようです。(ボランティアの方に助けられるケースも多いようですが)
島の人も素朴で、とてもいいところですよ。ぜひぜひ、
Commented by tatsuya_kitao at 2008-08-26 23:42
→Kenclipさん、こんばんは!
本当に、いい経験をしました。
子供たちの心の中にも、「貴重な何か」が残ったようです。
ぼくは、また行くと思いますが、Kenclipさんも、機会があれば、ぜひ!
Commented by makochi09 at 2008-08-28 11:37
こんにちは屋久島といえば海がめの産卵ですよね・・
月明かりの下で産卵するアオウミガメの傍で、孵化する赤ちゃんガメが列をなして海へ向って行くという、すごいシーンを見ることができたなんて
素敵な夏の体験を家族でされたんですね
お子様も眠い目こすってがんばった甲斐があって感動だったでしょうね・・。
一枚目の写真見て・・”ぼくと風子の夏”っていう屋久島に学校とかいけないこが夏休み期間中、村に滞在する体験の話を書いた
小説を夏休みの読書感想文で書かせたことがあるんです。
その本の表紙の絵にすごく同化しまーす
Commented by tatsuya_kitao at 2008-08-29 00:11
→真琴さん、こんばんは!
朝のお忙しい時間帯にコメントありがとうございます。
本当に、すごいシーンでした。
娘に、「ウミガメの赤ちゃん憶えている?」と聞くと、「おぼえている!」といってハイハイして真似をするので、ちゃんと記憶に残っているようです。

「ぼくと風子の夏」ググってみました。
あっ! この表紙の絵は、まさしく永田いなか浜です。1枚目の写真の手前の岩の少しむこうあたりからの構図ですね。
大牟田さんは、ウミガメ館の代表の方です。2枚目の写真の外側におられました。


<< 命あふれる島(屋久島にて)      聖老人(屋久島にて) >>